お婆さんの話〜信仰心?洗脳? |
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我が家の法事があったときのお坊さんの説法で、印象に残った話がありました。 あるお婆さんの話です。 こんなお話でした。 貧しい格好をした、お婆さんがいました。 食事も、粗末なものしか食べていません。 どうやら、旅をしながら、三味線を弾いて、それを生活の糧にしているようです。 そのお婆さんが、京都にある本願寺の山門で、長い時間手を合わせていました。 その様子をみていた、本願寺のお坊さんは、密かにこう思っていました。 「手をあわせるのは、関心じゃが、物乞いをされてはかなわんな。しばらく様子をみていたほうが、ようさそうじゃな」 そう考えているやさきに、お婆さんは、とことこと、山門わきの木戸をくぐり中へ入ってくるでは、ありませんか。 お坊さんは、そこへ、そっと声をかけました。 「どのような、ご用件ですかな」 お婆さんは、こういいました。 「はい。お布施にまいりました」 お坊さんは、はて?と首をかしげました。 このような、身なり貧しい者が、お布施とは・・・。どういうこじゃろう。 お婆さんは、腰にまいてあった、袋を差し出しました。 それは、ずしりと重く、大量の銭が入っていました。 お坊さんは、かなり驚きました。 このような大金をもっているとは、想像もできなかったのです。 それは、大金持ちの檀那衆が、時々、お布施をしてくれるような額だったのです。 いったいどうしたら、このような金額をお婆さんは、ためることができたのでしょうか。 お婆さんが語るには、 わたしの楽しみは、本願寺さまに、お布施をすることです。 それ以外のことは、どうでもいいのです。 食事も、服も、最低限のもので十分です。 念仏を唱え、 手を合わせていると幸せなのです。 なので、30年以上、そのような暮らしをして貯めてきたものです。もうさすがに、いつお迎えがくるかしれたことではないので、今日、お布施に参りました。 お坊さんは、このお婆さんの信仰心に胸を打たれ、たいそう感動し、おしいただいて、ありがたくお布施をいただいたそうです。 お婆さんは、晴れやかな笑顔で、大変満足そうでした。 おしまい。 さて、この話を素直に聞けば、信仰心に厚いお婆さんの話として、実に感動的なのですが・・・。 もし、これが、今現在であれば、どうなると思いますか(笑)。 もし、お婆さんに家族がいたら、家族はお婆さんになんというでしょう。 おそらく 「お婆ちゃん。だまされてはいけないよ。そのお寺は、お金が目当てなのよ。 30年もせっせとためた、お婆ちゃんの大切なお金じゃないですか。もっと大切に使うべきでしょう」 そういって止めさせようとするのではないでしょうか。 それでも言う事を聞かなければ、 「変な宗教に洗脳された。ああ困った。」と思うのではないですか。(笑) 日本人に、「布施」という概念はなじまない、とわたしは思います。 法事や葬式で、お坊さんに、10万円をつつまなくてはならない、と聞けば、 「なんでそんなに・・・」と思うでしょう。 お坊さんに、お金をやらなくてはならいことが、イヤなのです。 たとえ格式の高い、いかにも高僧という感じのお坊さんであっても、イヤなのです。 「布施」という概念は、もともとはインドの宗教的な習慣です。 インドでは、お坊さんに、財産(お金・食べ物・衣服など)を差し出すことは、当たり前になっています。 お布施をしない人など一人もいません(たぶん)。 なぜなら、それが、一般人(お坊さんではない人)の修行だからです。 インド人は、輪廻転生という世界観の中で暮らしています。 「人生」は「苦」であり、輪廻転生しつづけることは、「苦」からのがれることが出来ないということ。 修行するのは、この輪廻の輪から、のがれるためなのです。 修行が成れば、覚者となり、転生することはなくなります。 そのため、布施という修行は、当たり前のようになされているのです。 インド仏教学が専門の教授(私も学生時代、受講したことがあります)は、インドを始めて訪れたとき、こんな経験をしたそうです。 まわりをたくさんの貧しそうな人たちに囲まれ、「お金をくれ」と物乞いされた。 教授は「お金はない。道をあけてくれ」といいながら、囲みを突破しようとした。 ある物乞いは、こう言った。 「われわれは、あなたに、修行させようとしているのに、何故こばむのか?」 これが、本来の「布施」という概念なのです。 日本人には、なじまないでしょ。 日本人は、一部の人を除いて、輪廻転生を信じていません。 なので、布施という概念を納得することができません。 まず、お坊さんに、お金をやらなきゃいけない理由を知らない人が、ほとんどです。 また、分かっている人でも、輪廻を信じていないので、お布施をすることに納得がいかないのですね。 こんな日本人に、よく仏教が根ずいたと感心する、今日この頃です(笑)。 コラム 1.自己暗示とマーフィーの法則の違い 2.美人は得か?ハロー効果 3.「悪人同士は喧嘩にならない!?」法則 4.自己暗示と習慣 5.女性が100%喜ぶ?プレゼント 6.マーフィーの法則と共時性 7.お婆さんの話〜信仰心?洗脳? 8.牽引の法則と「たんなる偶然」 9.「誠実に対応すれば、友達ができる」は、ウソ! 10.知りたい情報を収集する ユング心理学 1.ユング 2.集合的無意識(普遍的無意識) 3.夢診断 4.共時性(シンクロ二シティ) ---- 参考資料 ---- 臨床ユング心理学入門 おすすめ度5★★★★★ ユング心理学の概説書の中で、1番分かりやすい本でしょう。 無意識の世界 こころの科学セレクション おすすめ度5★★★★★ 無意識という概念を説明する本。非常に読みやすく面白い。 タオ心理学―ユングの共時性と自己性 おすすめ度4★★★★☆ ユングの共時性という概念を、道教の「道(タオ)」という概念から説明している。 図解雑学 ユング心理学 図解雑学シリーズ おすすめ度4★★★★☆ ユングの思想を簡単に知るには、便利な1冊。 共時性(シンクロニシティ)の宇宙観―時間・生命・自然 おすすめ度3★★★☆☆ テーマは面白いのだが、内容がイマイチ。共時性の概念を広げて考える役に立つ。 ユング おすすめ度3★★★☆☆ ユングの思想を概説的に語っているが、やや分かりにくい。 ユングと共時性 おすすめ度2★★☆☆☆ 河合隼雄氏の解説以外、なにが書いてあるのか理解不能。 |
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